2023.08.03
2023.8.3
いよいよ8月に入りました。
子供たちも夏休みに入り、学校から解放されて遊んでいることでしょう。
私達の頃は、夏休みと言ったら、朝のラジオ体操と自由プールが思い出され、
近所の友達といっぱい遊んだ記憶がありますが、今の子供たちの夏休みは、どんななのでしょうかね?
私は毎朝ウォーキングをしているのですが、近くの保育園の前でラジオ体操をしている子供たちを見かけました。
写真を撮った時にはラジオ体操が終わってしまいましたが、
多分ですが、終わった後の印をもらっているところでした。
ラジオ体操など今時やっていないのだろうと思っていたので、この景色を見たときに、
なんだかうれしくなりました。
その後子供たちは解散しましたが、私の横を通り過ぎていく子供が「おはようございます。」
と照れくさそうに挨拶をしてくれました。久しぶりに子供から挨拶をされて、
戸惑いましたが、大きな声で、「おはよう」と声を掛けました。
朝のちょっとした些細な出来事でしたが、昔を思い出し、嬉しかったです。
今でも昔の分化が残っていることに感動しました。
土曜日には、隣保班総出で盆道と言って、ご先祖様が返ってくる道を
綺麗にする目的で、近くの神社の草刈りがありました。
今まで隣保班の行事などは、父親に任せていましたが、腰が痛いということで、
代わりに私が参加して、草刈りをしてきました。
今まで父親に任せっぱなしで、地域の行事にはあまり参加してきませんでしたが、
沢山の方が、地域貢献のために、朝から奉仕作業をしている姿を見て、
自分も、地域で生かされている一人であるし、この地域で商売もさせていただいています。
少しでもこういった活動に参加して、地域貢献をしていこうと思いました。
私は、つい自分さえよければいいと思ってしまうところがあります。
しかし、このように地域や、そこに住んでいる方々のために作業をしている方々を目の当たりに見て、
少しでも人の役に立つことをして自分を磨いていかなければいけないと思いました。
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ハウスの中は、相変わらずいつ熱中症になってもおかしくないほどの気温です。
連日36℃は超えています。暑いですが、それでもお盆まで頑張ればなんとかなると
皆で励まし合いながら作業を行っています。
7月中旬に植えた親苗たちは、順調にランナー(子苗)を増やしてくれ、
昨日、ハウス中の収獲苗の本数を確保することが出来ました。
最初に挿した苗は大きく、挿したばかりの苗は小さいですが、
これから何枚も何枚も葉を取り、手入れをすることによって、
どの苗も同じ大きさに仕上げていきます。
とはいえ、栽培する苗の本数が確保できたということは、私達にとっては一安心です。
この苗の本数が確保されないと、苺の収獲までこぎつけません。
親苗と、暑くても作業している社員さんに感謝です。
6月下旬には、何もなかったハウスに、あっという間に、緑が戻ってきました。
まづは1段階をクリアーしましたが、まだまだ気を抜けません。
これからは、病気と、虫との戦いになります。
苺は、苗8作と言いまして、苗づくりがとても重要です。
苗質で、収穫量や、食味まで変わってきます。
苺が実っていない今の時期も、とても大切な時期なのです。
赤い実を目にするまで5か月ほどありますが、社員さんと力を合わせて
自分達の理想とする苗を育てていきます。
社員さんたちは、この暑いハウスの中で苺の苗を育てながら、各地のイベントに出店して
冷たい苺のデザートを販売してきてくれます。
皆さんもどこかでれっどぱーる号を見かけたら、是非お立ち寄りください。
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以前からこのブログにもちょこちょこ出てきていると思いますが、
私は、静岡経営塾で経営と、自分の人生の幸せについて学ばせていただいています。
その学びの一環で、先月の経営塾では、サバイバルという課題が出されました。
サバイバルと言っても、電気も水道もないところで生活するとか、どっかの山奥に行って
自給自足するといったものではありません。
どのようなことをするのかと言いますと、知らない方から仕事をいただき、1000円をいただいてくる
というものです。ルールとして、名前を言ってもいいが、どんな仕事をしているとか、どこに住んでいるとかの
情報は一切言ってはいけません。言っていいのは、名前と、会社の研修であることぐらいです。
私はこのサバイバルが3回目になるのですが、とても苦手な研修の1つです。
仲間に聞いても、10人中8人は苦手と言います。
でも残りの2人は何とも思わないというのです。人って色んな人がいるものですね。
課題を出された以上は1000円をいただいてこなければいけません。
1000円をいただかないと返ってきてはいけないのです。
山中湖の研修所からサバイバルがスタートしました。
15人ほどの仲間でスタートしましたが、皆それぞれの方面に向かっていきました。
ゆく当てもなく歩く仲間の背中を見て、(よし俺も頑張ろう)と思って歩き始めました。
歩いて10分ほどしたところで仲間が車を洗車している方に声をかけていました。
きっと車を洗車して1000円をいただこうと考えていたのだと思います。
でもその姿は、叱られているようにも見え、じぶんのなかで、
(このご時世に、1000円分の仕事をさせてくださいなんて人が来たら怪しいよな。)
なんて負のことばかりを考えていました。
でも歩いているだけでは、時間が過ぎるばかりで、仕事をいただけません。
私は、山中湖の別荘地へ行き、声をかけ始めました。
この声をかけるにも迷ってしまうのです。
・この家はお金がありそうだから1000円の仕事をくれるかもしれない。
・ベンツの車が止まっているから車を洗わせてもらったらどうか?
でも車に傷をつけたら大きな問題になってしまう。
・草が生えているから草取りをさせてもらおうか?
・子供の自転車があるから、若い御家庭かもしれないから無理かな?
などと、色んなことを思いながら、結局は声を掛けないのです。
ゆく当てもなく歩いていると、同じ経営塾の大先輩でもあるSさんとばったり遭遇しました。
Sさんは、58歳の方で農業界では超有名な方です。
そのSさんが私たちと同じ課題をクリアーしようとされているのです。
その姿を見たら、弱音を言っていられなくなりました。
Sさんと少し話をし、元気をいただいて再チャレンジすることにしました。
別荘のお宅に、ピンポンして仕事をいただけないかお願いしました。
見事ダメでした。
一軒でくじけていてはいられないと、2件3件と声をかけていくのですが、
見事に断られます。
5件くらい断られると段々と心が折れてくるのです。
そのうち、ピンポンを押すのが怖くなってきました。
でも、何とかしないと仕事はもらえません。
断られ続け、飛び込みのセールスの方って凄いなと感心してしまいました。
それでも折れても折れてもピンポンを押して仕事が無いかお願いしましたが、中々お仕事をいただけませんでした。
いっそのこと仕事が貰えたと嘘を言って、自分で1000円を出してしまおうかとも思いましたが、
そこで浮かんできたのが、Sさんや、一緒に頑張っている仲間の顔でした。
断られても断られても声をかけ続けました。
すると、庭先で、洗濯物を干している老夫婦の方がいらっしゃいました。
私は、とたんに、
私:「何か私に出来るお仕事はありませんか?」
御主人:「あんた、誰だい。」
私:「佐野真史と申します。会社の研修で山中湖に来てまして、人の役に立って1000円をいただいてくるという
課題が出されまして、何でもやりますので、仕事をいただけませんか?」
御主人:「仕事か。急に言われてもないよ。」
私:「そこを何とか。決して怪しいものでは御座いません。」
御主人:「名刺を見せてみろ」
私:「仕事をいただけるまで名刺も出せないのです。何でもやりますのでお仕事をください。」
この時、私は神にもすがる思いで、必死にお願いしました。
怪しいのも承知です。でもここで引いたら、チャンスはないかもしれないと思った私は、
必至でお願いしました。もう半分土下座状態です。
御主人:「それじゃ、なんでもやるのか?」
私:「何でもやります。」
もうこの時は、半べそ状態です。
御主人:「じゃあ、あそこの切り株を抜いてくれ。」
もうこの時の感動ったらなんて書いてよいのかわかりません。
1000円の仕事をいただくことはこんなに大変なことだと身をもって感じました。
もうお金のことなど関係ありません。
仕事をいただけたことが嬉しいのです。
スコップや、こぎり、ハンマーなどを物置から出してきてくださり、
穴掘りが始まりました。
穴を掘りながら、御主人さんといろんなお話をさせていただきました。
穴を掘りながら、何件も何件も断られ、心が折れて逃げ出そうと思ったことを思い出し、
穴を掘りながら涙する自分がいました。
またその御主人さんが、自分を救ってくれた神様のように思えました。
途中から、段々御主人さんと仲良くなっていき、自己紹介もさせてもらいました。
職業が農業と知ったら、
「農業だったらスコップの使い方がうまいわけだ。」
とお褒めの言葉をいただきました。
かれこれ2時間以上をかけて切り株を掘り切りました。
途中何度もきついな。と思いましたが、仕事をいただいたときの感動を思い出し、
一休みして作業に取り掛かりました。
御主人さんも私の近くで監督として穴掘りに付き合っていただき、その優しさが今でも心に
染みついています。
大物を掘り起こしました。
片づけも最後まできっちり行い無事に課題をクリアーしました。
御主人さんにも大変喜んでいただき、私もとてもうれしかったです。
これが本当の仕事をいただき人の役に立つという事なのだと思いました。
今では、1時間働けば、1000円くらいにはなります。でも、働いてやっていると
思っている以上はこういった感動は味わえないのだと思います。
たかが1000円ですが、1000円の仕事をいただくのはこんなに大変なことなのだと
学ばせていただきました。また、ひとの優しさにも触れることが出来ました。
最後に、ご褒美をいただきました。
冷えたメロンでした。
汗だくになって食べたメロン。
とっても美味しかったです。
今でもこの御主人さんを見るとあの時を思い出し、涙が出てきます。
とっても過酷なサバイバルでしたが、学ぶべきことが沢山あった研修でした。
こういったご縁も大事にしていく人でありたいです。
いつも謙虚に、人様から生かされていることを忘れてはいけないと思いました。
研修所に帰る帰り道で、鹿の親子と遭遇しました。
鹿さんに、お疲れ様と言われているようでした。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
富丘佐野農園株式会社 佐野真史